カリマンタンの焼畑農業

SE Asia map
 
ここからの写真は,主として上で示した地域で撮られたものです。
Mahakam boat
 
東カリマンタンの焼畑村は遠い。マハカム川を何日も遡る。
KD village
 
焼畑民であるダヤックの村の入り口。橋の向こうに見えるのは,有名な森林産物であるラタン(籐)である。
KD fallow forest
 
熱帯雨林の焼畑では,一般に休閑期間は長い。奥の森林は20年以上の休閑林であろう。
KD profile
 
そこでの土壌断面。タイ国北部・モンスーン気候下の森林土壌と比べれば,ここでの土壌有機物含量の低さが明らかであろう。土壌酸性も強い(タイ国北部土壌より,pHで1くらい低くなる)。
TT sady profile
 
またしばしば砂質な土壌も現れる。このような土壌は,高い耕作圧には耐えられないであろう。幸いにも,東カリマンタンでは,北タイにおけるほど焼畑の人口圧が高まってはいない。
EK after fire from sky
 
しかし焼畑農業の持続性を危うくする状況も存在する。これは1997年(エルニーニョに伴う乾燥年)の山火事跡を空から見たものである。新聞紙上でも取り上げられていたが,その被害は想像以上に大きかった。
EK after fire
 
同じく山火事跡。この村では,翌1998年には,焼畑耕作がほとんど行われなかった。休閑地を失ったこと,経済的な苦しさから働き手が雇用労働に向かったこと,などが理由であろう。
EK transmigration
 
賛否の分かれるインドネシア政府の移民政策によって,東カリマンタン奥地に建設されつつある村。
EK trans village
 
ジャワ島からの移民は,水田敵地があればこれを開墾する。ただ周囲の傾斜地は,どこでもうまく使われてはいない。すぐ荒れて,草地化する。
Java pukarangan
 
ジャワ農民は,ジャワ島内ではこのようにアグロフォレストリー的な土地利用に慣れ親しんできているはずなのに(これはプカランガン-屋敷畑と呼ばれる)。
Java volcanic profile
 
ジャワ島に広く分布する火山性土。カリマンタン島の黄色系土壌とはだいぶ異なる。土壌有機物は多いし,酸性の程度もずっと低い。だから移民は,カリマンタンでは同じようには土地を使えない。この土壌の違いは,もっと意識されていいことだ。
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